治療して「健康を取り戻した歯」をよい状態で維持するには、いま健康な歯を虫歯や歯周病にかからないようにするために、適切なメンテナンスが不可欠です。ご自宅での正しいケア方法を知り、定期的にお口の健康チェックとお掃除をすることで健康な歯を守りましょう。
定期健診
将来入れ歯にならないためには、お口の中の定期的な診査・掃除が大切です。定期健診では、歯・歯茎の噛み合わせの検査、入れ歯やマウスピースの点検・調整、歯みがき状況の確認、お口の中の汚れを徹底的に取り除くクリーニングなどを行います。お口の中のバイ菌が減ると、虫歯・口臭予防、歯周病進行の抑制、全身疾患(糖尿病・誤嚥性肺炎・心臓病など)の改善にも好影響をもたらします。歯周病を引き起こす歯石やバイオフィルム(細菌とカビ)は、歯ブラシではきれいに磨き切れません。3~6ヶ月に1度の定期的なメンテナンスをおすすめしています。
クリーニングとは
口腔内のチェック→スケーリング(歯石とり)→ポリッシング(歯の表面を磨く)→歯肉状態に合わせたケア指導
歯ブラシや歯磨き粉、患者様に合ったフロスの使い方などの説明を行います。
保険適用が3割負担の方で3.000円となります。
健口寿命から健康寿命
80代で残っている歯の本数について、歯の定期健診に通っている人は28本、そうでない人では10本と、大きな差が出るデータもあります。厚労省と日本歯科医師会が推進している「8020運動(80歳まで20本の歯を残そう!)」によると20本以上の歯があれば満足に噛んで食べることができるとされています。スウェーデンやアメリカなどの先進国では、歯科の定期受診率が70~80%以上に対し、日本では約6%です。歯の喪失は、食事に大きな影響を及ぼし、健康寿命にも関わります。定期的なメンテナンスが将来を左右するという意識でケアを行いましょう。